ShigeRokuBlog

アニメ・マンガ・映画――ポップカルチャー全般を語る日記。

『がっこうぐらし!』

マンガ『がっこうぐらし!』が面白い。Kindleにて最新5巻までイッキ見した。

そもそも読み始めたきっかけは、仕事で必要に迫られて。仕入れた前情報によると「日常もの」だけど「ニトロプラス原作」とのこと。ニトロプラスと言えば「まどマギ」を筆頭に一筋縄ではいかない作品が多い。『がっこうぐらし!』も見た目は可愛らしい絵柄けど、きな臭い感じがプンプンしていたのである……。

主人公は巡ヶ丘高校通う3年生・丈槍ゆき。元気いっぱいで天真爛漫なゆきは「学園生活部」に所属し、今日も3人の友だちと一緒に部活動をがんばる。ゆきは学校が大好きで、彼女に目に映る日常はどれもキラキラ輝いていた……。
そう思わせといて、第1話のラストで衝撃の事実が明らかに。それは「幻想」だったのである。彼女が見ている美しい景色とは裏腹に、実際には校内は荒れ果て、生徒の姿も消え失せ閑散としてる。そう、この世界はゾンビによって崩壊したのだ。

要は「ゾンビもの」である。突如、バイオハザードが発生、過酷な状況下のなかで、3人少女と1人の先生が学校で籠城生活を送る。舞台設定だけを見るとジョージ・A・ロメロ作品のような典型的なゾンビだ。外的に脅えながらの籠城生活、過酷な状況下における心理描写、愛するものがゾンビとなってしまったときの葛藤など、「ゾンビもの」の醍醐味が満載だ。

とはいいつつ「日常もの」でもある。柔らかい線のキャラクターデザインは非常に可愛らしいし、少女たちの何気ないやり取りも微笑ましく、見ていて温かい気持ちになれる。とくに主人公・丈槍ゆきの屈託のない笑顔は、シリアスな環境下のなかではまさしく癒やしである。

「ゾンビもの」と「日常もの」、「日常」と「非日常」、この落差が新鮮で面白い。


本作を読んでゲーム『CROSS†CHANNEL』を思い出した。クロスチャンネルは本作と同じく、世界から取り残された少年少女たちが、それでも健気に学校生活を送ろうとする作品だ。丈槍ゆきと同じで、少し“狂っている”ことも共通している。

僕はこうしたシチュエーションに弱い。ウルッとしてしまう。不器用な人間が必死に生きようとする姿に感動するのだ。自分自身不器用な人間だからこそより響くのだろう。
劇中のキャラクターは、過去のトラウマから一歩踏み出すことを恐れている。でも仲間との交流を通じて徐々にこのままではいけないことに気づき、自らの殻を破っていく。

というわけでオタクの人には『がっこうぐらし』はオススメです。だって、オタクの人は何かしらトラウマ抱えて不器用なんだから響くはず(暴論)