ShigeRokuBlog

アニメ・マンガ・映画――ポップカルチャー全般を語る日記。

『桐島、部活やめるってよ』を観た

レンタルにて『桐島、部活やめるってよ』を視聴。観ようと思ったきっかけは、とある演出家のインタビュー中に本作の話題が出たから。さすがに有名作なので見とかないといかんな、と。

実は原作者の朝井リョウは、同じ大学かつ同じ学部のひとつ上の先輩。つまり僕と同世代。若い感性を節々に感じられ、高校生のやり取りが非常に生っぽくてよかった。とくに女生徒の表向きは仲よさげだけど、裏では分かり合ってない感じとかドキッとさせられた。スクール・カーストの描かれ方も、アニメやラノベみたいに誇張されることなく、いかにも「ありそうな感じ」でよかった。

本作は多数の視点で物語が描かれる「群像劇」であるが、僕は高校時代にオタクグループに属していたこともあり、神木隆之介演じる前田涼也に感情移入して見ていた。神木隆之介の演技はオタクの喋り方や所作が非常にリアルで違和感なかった。
前田が東原に恋焦がれるように「橋本愛、かわいいな~」と思って見ていたところ、まさか付き合っている男子がいたという、突然のNTR展開にビックリ。まんまと騙され「女って恐いな」と思った。まぁ内心彼女も前田に気があったようだが。

同じイベントが視点を変え何度も反復されるあたりは、ゲームの『街』や『428』を思い出した。見る人によって、こうも景色が違うのかと、見ていて面白かった。結局人生も同じで、自分の見ている景色なんて他人とまったく違うんだろうなぁ。

正直、テーマ的部分はあまり理解できなかった。ラスト、前田が映画部の後輩に「こんな世界でも生きていかなければならない」的なことを言うのだが、それがテーマなのだろうか……。とりあえず本作の批評・論評をネットで探してみよう。